F-2 が飛ぶ基地 — 百里・築城・松島・岐阜

更新 2026.08.28 — 読了 6分

F-2 はいまどこにいるのか。4 個の飛行隊と、その基地の所在地・滑走路。F-2B の操縦教育を担う松島基地と、2011 年の津波からの復帰まで。

F-2 は 94 機しか作られていません。配備されている場所も限られています。どの基地にいて、そこで何をしているのかを、公開されている資料の範囲でまとめます。

1. F-2 を運用している部隊

基地所在地部隊
百里茨城県小美玉市第 7 航空団 第 3 飛行隊
築城福岡県第 8 航空団 第 6 飛行隊 / 第 8 飛行隊
松島宮城県東松島市第 4 航空団 第 21 飛行隊(F-2B・操縦教育)
岐阜岐阜県各務原市飛行開発実験団(試験・評価)

実戦部隊は 3 個飛行隊。飛行隊の定数は単座の A 型 18 機と複座の B 型 2 機で、合わせて 20 機というのが基本の形です。

2. 百里基地 — F-2 が首都圏へ来た

茨城県小美玉市。 東京の北東およそ 80 km。2,700 m の滑走路を 2 本持ちます。民間側は茨城空港として共用されており、自衛隊の基地と旅客ターミナルが同じ滑走路を使う珍しい場所です。

第 3 飛行隊は、F-2 が最初に配備された飛行隊です。長く三沢基地にいましたが、2020 年 3 月に百里へ移駐しました。F-2 が首都圏の防空にあたるのは、これが初めてです。

F-2 MISSIONS の地形:百里基地 — 2,700 m の平行滑走路 2 本と、平坦な関東平野。

3. 築城基地 — F-2 が 2 個飛行隊

福岡県。 九州北岸、周防灘に面しています。

第 6 飛行隊に加え、2016 年に第 8 飛行隊が三沢から移駐し、F-2 が 2 個飛行隊そろう基地になりました。南西方面の体制を厚くするための移動です。F-2 がもっとも多く集まっている基地でもあります。

F-2 MISSIONS の地形:築城基地 — 滑走路の東は周防灘、南に振り返れば英彦山の山塊。

4. 松島基地 — F-2B の操縦教育

宮城県東松島市矢本。 石巻湾に面した海沿いの平地にあります。

主滑走路RWY 07/25 — 2,701 m × 46 m
副滑走路RWY 15/33 — 1,500 m × 46 m
標高数 m(ほぼ海面)

滑走路が X 字に交差しているのが松島の形です。RWY 07 への進入は石巻湾の海側から入ってくることになります。

ここにいる第 21 飛行隊は、F-2B を使って戦闘機操縦者の教育を行っています。基本操縦課程を終えたパイロットが、実際の戦闘機で戦技の基礎を身につける場所です。同じ基地には、ブルーインパルス(第 11 飛行隊)も所在しています。

2011 年 3 月 11 日

東日本大震災の津波で、松島基地に駐機していた航空機 28 機が水没しました。うち F-2B が 18 機。調査の結果、修理可能と判定されたのは 13 機でした。第 21 飛行隊は三沢基地へ移って教育を続け、2016 年 3 月 20 日に松島基地へ帰還、修理の完了した機体を含む 10 機で訓練を再開しています。

F-2 MISSIONS の地形:松島基地 — X 字に交差する実在の 2 本を実寸のまま。F-2 MISSIONS が始まる場所です。

5. 岐阜基地 — 試験と評価

岐阜県各務原市。 飛行開発実験団が置かれ、新しい装備や改修の飛行試験を行います。F-2 の試作機が飛んだのもここです。部隊マークの入っていない、試験塗装の機体を見かける基地です。

6. 三沢基地 — かつての F-2 の本拠

青森県三沢市。 日米共同で使用する基地で、かつては第 3 飛行隊と第 8 飛行隊という 2 個の F-2 飛行隊が置かれていました。両隊が移った現在、航空自衛隊側の主力は F-35A に替わっています。

F-2 の歴史を追うと必ず出てくる基地なので、名前だけ挙げておきます。

F-2 MISSIONS の地形:三沢基地 — 3,048 m の滑走路 1 本。離陸して正面に八甲田、東は太平洋。

7. 2,700 m という数字

陸上基地の滑走路は、たいてい 2,700 m 前後あります。この距離があれば、F-2 は減速のためにブレーキとエアブレーキを使いながら、余裕をもって止まれます。

比較になるのが空母です。着艦のために用意されている距離は、アレスティングワイヤの張られた区間だけ。桁が 1 つ違います。

だから空母への着艦は、滑走路への着陸とは別の操作になります。降下率を最後まで一定に保ち、狙った 1 点へ接地させにいく——手順失速と旋回 で扱っているのは、その話です。

F-2 MISSIONS で最初に触れるのが空母着艦なのは、空を飛ぶ操作のうち、いちばん厳しい条件がそこにそろっているからです。


出典

本記事は公開されている情報にもとづく解説です。